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診療案内

精神科作業療法のご案内

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作業療法(Occupational Therapy=OT)では、心と身体のリハビリを行います。

目標を持って参加することで、健康的な生活を送るための準備や練習をします。

OT(作業療法)では人が人として生きていくのに必要なあらゆる作業、活動を治療の手段として用い、回復を支援します。

作業療法の目的

  • 病状の軽減、情緒の安定と身心の健康維持、増進を図る
  • 活動性や自主性を高め、意欲的な生活を促す
  • 対人関係の改善を図り、協調性を高める
  • より良い社会生活を目標とする(将来的に)など…

「目の前にいる患者様を救いたい」そのために私たち作業療法士が意識していること

【1】「Bio Psycho Social Model/Approach」
   バイオサイコソーシャルモデルに基づく作業療法

  • 生物心理社会モデル=BPSモデルは、ジョージ・エンゲルが1977年に提唱したモデル
  • 人間を生物的側面、心理的側面、社会的側面から統合的に捉える枠組
  • 各側面で分割してみるのではなく、統合的、相互的、円環的、俯瞰的、システム論的な視点で相互のつながりを理解して介入
  • BPSモデルは「視点」であり、実際のアプローチ「実践方法」でもある
    臨床はモデル「視点」だけでは成り立たず、それに基づくアプローチ「実践方法」があってこそ実を結ぶ
  • 還元主義的な「分割・分類」で済ませずに階層性を超えて互いの因子がフィードバックしあいながら影響し合っている視点で評価。

Bio Psycho Social Modelの視点で私たちはこんな事に気をつけています

出典元:バイオサイコソーシャルアプローチ 金剛出版

【2】縦軸評価:「過去―現在―未来」の時間軸上のつながりを評価

  • 生育歴を読み込み、過去からBPSモデル3側面の情報を得る
  • ジェノグラム(家系図)を把握し、遺伝的要因も評価する
  • 対象者の人生を追体験する。その中で疑問点を抽出し、仮説立て検証を繰り返す
  • 病前の能力はどんなか、病前の性格は(価値観は)どんなか
  • 家族との関係はどうであったか、どういう経過であったか
  • 発病パターンやトリガーは何か、どういったサインから現れるか
  • 初発のプロセスは(苦手なストレスの特定,前兆サイン,症状等の経緯,時間経過タイプ)
  • 病気の診断は、いつ・どこで・誰が・どういう経過で
  • 過去の治療の方向性は
  • 対象者の「今」は過去からの連続性の先にある

【3】横軸評価:現機能、個別性、行動特性を評価

OTは実体ある作業、非言語的な活動を通して評価が可能

  • BPSの3側面を評価 相互に関わり合っている・影響し合っていることを忘れずに
  • 円環的因果論で考える
  • 対象者の主観的体験を評価し理解、共有(過去から現在にかけて)
  • 言語/非言語コミュニケーション、関与/非関与観察
  • 共有体験、集団、集団力動、場(ポトス)の利用
  • 標準化された評価、検査フォーマット等を活用
    例:作業遂行機能(山根)、Mental Status Examination(武藤)、 Sensory Profile (Winnie Dunn)
  • ADLも見るが、行為や行動単体ではなく、社会的な脈絡、ストーリーを評価、生活そのものを評価
  • 主体性の評価と支援、「選択」、「判断」、「自己決定」

【4】ミクロとマクロの視点を使い分ける

  • 限定された環境下での特定の症状や能力を評価するにとどめず、全体像を理解する。
  • OTは常にミクロとマクロへ視点を行き来させることが重要

【5】対象者が「どう感じているのか?」を「自分だったらどうか」と追体験

  • 人間は本質的に目標に向かって進む生き物(Melges;1982)だが、精神疾患を持つ対象者の中には、時間の速度(持続時間)、継続性、時間志向性が崩れていることがある事を理解する
  • 例えば、統合失調症などでは思路障害(思考の志向性、速さや持続性の障害)などがある事を理解する
  • 例えば、ASDでは“強いこだわり”と周囲からは思われる自身のUmwelt(環世界)がある事を理解し、それを超えること当事者にとって辛いことを理解する
  • 対象者の主観的体験を追体験すること。少なくとも「自分だったらどうか」と。
  • 主観的体験と客観的事実のズレを修正することは困難(辛いこと)であり、そもそもズレがあるとは思っていないかもしれない。修正は辛いということに寄り添うこと。長期入院という未来への希望が制限された環境では、時間の志向性や連続性が崩れ、絶望し、症状が悪化することを理解すること。

【6】ストレングスモデルを忘れずに

  • 精神科リハビリテーションの焦点はマイナスの行動を抑制する介入とは対照的に、プラスの行動を発展させることである。
  • 希望は精神科リハビリテーションに必要不可欠(W. Anthony; Boston University)
  • 病気によって障害された側面に焦点をあてがち
  • 対象者がもつ強み(長所)を活かす。エンパワメントを活かす
  • 生活の主役は対象者本人。最小限の援助で最大限の自立につなげる

入院プログラム

【R3.7現在】

 
午前 フリータイム コーラス 病棟2F
カラオケ
健康作り 病棟個別 病棟2F
バレー
卓球
病棟3F
カラオケ
病棟3F
バレー
病棟3F
リラクセーション
病棟2F
創作
病棟3F
創作
午後 病棟個別 病棟4F
創作
病棟4F
体操/卓球
病棟4F
フリータイム
病棟4F
カラオケ
病棟4F
バレー
病棟個別
カラオケ バレー/体操 病棟個別 勉強会 創作

プログラムの詳細

フリータイム

フリータイム1[写真] フリータイム2[写真]

それぞれ好きなことを行い楽しむ活動です。囲碁・将棋・麻雀・トランプ・塗り絵・音楽鑑賞・映画鑑賞・読書などができます。患者様の交流の場ともなっています。

コーラス

コーラス[写真]

季節に合った唱歌などをみんなで歌います。歌うことが好きな方、一人で歌うのは自信がない方も皆で一緒に歌うことで、一体感や達成感を味わい、仲間づくりの場となっています。

健康作り

健康作り[写真]

各月ごとにテーマを決めて軽いストレッチと筋トレを行っています。現在までに、肩コリ解消体操や腰痛解消体操などが人気でした。終わった後は、みなさんスッキリした様子です。

卓球

卓球[写真]

毎週定期的に行っている活動です。初心者の方から熟練の方まで皆で切磋琢磨して行っています。年に2回卓球大会を開催し日々の練習の成果を発揮できる場も設けています。卓球仲間から話し相手にもつながっている場となっています。

外出プログラム

グループを作り、近隣ショップへの買い物や花見、ぶどう狩りなど、また、海岸清掃へも出掛けています。

外出プログラム1[写真] 外出プログラム2[写真] 外出プログラム3[写真]

行事

行事1[写真] 行事2[写真]

様々なイベントを行います。カラオケや卓球、将棋やオセロ等の大会を開催し日頃の成果を発揮します。ボランティアによる演奏会や夏祭りなども催し、楽しいひとときを過ごします。

OT作品

グループを作り、近隣ショップへの買い物や花見、ぶどう狩りなど、また、海岸清掃へも出掛けています。

OT作品[写真]

外来OT

外来作業療法とは

外来をご利用の皆様にも“作業療法(OT)”をご利用いただけます。

『退院して生活しにくさは感じるけど、何から始めたらいいかわからない…』

『デイケアに通うにはまだ不安…』

『診察の待ち時間を利用して、リハビリを受けたい。』 

方々など

ご利用方法

ご利用いただくには、主治医の処方が必要となります。ご希望の場合は、主治医にご相談ください。

随時、見学もお受けいたします。費用については、見学時ご説明致します。

みんなのメンタルヘルス総合サイト

参考情報:『みんなのメンタルヘルス総合サイト』

こころの健康づくりに関する情報と医学的情報、医療・福祉・労働・年金等にわたる様々な社会的支援に関する情報、国の施策に関する情報を、分かりやすく提供しています。