土井尻 達紀(どいじり・たつき)
循環器内科 主任部長 兼 心臓カテーテル室 室長
循環器内科 主任部長 兼 心臓カテーテル室 室長
心筋梗塞や狭心症など、循環器の病気は命に直結するケースが少なくありません。私が循環器内科医になると決めたのも、「患者さまの命を救いたい」という思いがあったから。以前に救命救急センターに勤めたのも、そうした理由です。
ただ最近は、命を救うという意味をもう少し大きく捉えるようになりました。生死だけでなく、その方のQOL(生活の質)を豊かにするということも、命を救うくらい大切なことだと思うようになったのです。
たとえば、循環器内科では冠動脈の狭窄(きょうさく)や閉塞(詰まったり、ふさがったりした状態)を治しますが、それだけでなく、足の動脈の狭窄や閉塞に対しても同じようにカテーテルという細い管を通して、血流を再開させる治療を行います。足の血管が動脈硬化によって血行不良になる病気を閉塞性動脈硬化症(ASO)といいますが、この病気になると足がしびれたり、感覚がなくなったりして、歩くのが困難になります。症状が進行すると、ささいなケガをきっかけに潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)になり、足を切断しなければならないこともあります。
そういうときに早い段階でカテーテル治療をすると、血流が再開し、再び歩ける場合があります。最近も、「足を切断しなければならない」といわれていたある患者さまにカテーテル治療をしたところ、血流が戻り、足の切断をまぬがれました。
当院を受診される患者さまのなかには、それまで健康診断を受けておらず、病気になって初めて健康について考えるようになった方が少なくありません。
病気になったことは決してよいことではありませんが、これを機にもっと自分の体に興味を持ってもらえたらうれしいですね。治療によって健康を取り戻したのですから、食事に気を使い、体を動かすようにする。こうしたことも取り入れながら、今まで以上に充実した毎日を過ごしていただけたらと思っています。
外来診療日 |
金曜日(午前)下肢虚血外来 金曜日(午後) |
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経歴 |
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免許・資格 |
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