栄養コラムNutrition Column
アミノ酸・たんぱく質とは
皆さん、サプリメントのCMなどで「アミノ酸」という言葉をよく耳にしませんか。
今回はそのアミノ酸についてどのようなものなのかお話ししていきたいと思います。
アミノ酸はたんぱく質の素であり、50個以上のアミノ酸が鎖状に連なることでたんぱく質となります。
人間の身体は20種類のアミノ酸から構成されています。その20種類のうち、体の中で作り出すことのできないものを必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)と呼び、9種類あります。一方、残りの11種類は体の中で作り出すことができるもので、非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)と呼ばれています。
その必須アミノ酸が1つでも不足すると、体の中でたんぱく質を作ることができなくなり、肌のトラブルや免疫力の低下、低栄養などに繋がってしまいます。
下図1.2をご覧ください。体の中の必須アミノ酸を樽に置き換え、その中の水を体の中で産生したたんぱく質と仮定して説明します。図1は必須アミノ酸が充足している状態であり、樽に高さがある為、水がこぼれないようになっています。
一方、図2は必須アミノ酸の1つであるリジンが不足した状態の体を表しており、樽の一遍の高さが低く水がこぼれてしまっています。両者を比較すると必須アミノ酸が1つ不足することにより身体の中で産生できるたんぱく質量も少なくなってしまうことが分かります。
では、不足しないようにするには「何を」「どのくらい」食べればよいかご紹介します。
まず、「何を」についてです。
必須アミノ酸を食事から補給するには卵、乳製品、魚、肉、豆製品の食材を組み合わせて1日3食摂取する事です。
例えば、お米はリジンが不足しています。そのためリジンを豊富に含む納豆を一緒に摂取することによりたんぱく質を体の中で作りだすことができます。(肉や魚を一緒に食べても問題ありません。)また、牛乳や卵は特に含有しているアミノ酸のバランスが良いとされている食品です。
続いて「どのくらい」についてです。
献立を考える際の目安をご紹介致します。たんぱく質量は肉や魚などの種類によって前後しますがおおよその含有量をご紹介します。
魚1人分(70g) | :約12~15g |
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肉1人分(100g) | :約15~20g |
卵1つ(Mサイズ) | :約6g |
牛乳1杯(150㏄) | :約5g |
納豆1人分(50g) | :約8g |
- ※魚や肉のたんぱく質量は脂身の多い部位であればあるほど少なくなってしまうので注意して下さい。特に牛肉は100gあたり12gの部位もあります。
ここで肉100gってどれくらい?と思った方にちょっとしたコツをご紹介します。
卵1つで肉50gの量を推測することができます。Mサイズの卵は1つ50~60gほどの大きさであり、その卵と肉の大きさを比較することでおおよそのグラムを知ることができます。ぜひご活用下さい。
最後に、たんぱく質を1日にどのくらい摂取するべきであるかについてです。厚生労働省より推奨される量は年齢や性別によって異なりますが、1日あたり何グラム摂取すれば良いか下表にまとめましたので参考にして下さい。