栄養コラムNutrition Column

当ホームのお食事紹介シリーズ③~麻婆丼~

 梅雨はどこに行ってしまったのかと思わせるような暑さが続いていますね。

 この暑さで夏バテ気味になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 この時期は様々な理由で体調の変化が表れやすいため、職員一同入居者様の見守りを強化しています。

 今回は当ホームにて行われている、お食事満足度向上のための取り組みをご紹介します。

 現在、毎食の摂取率を算出しており、入居者様に好まれる献立や改善が必要な献立を調査しています。施設の平均摂取率は80%前後であり、85%を目標に取り組んでいます。

 今回ある一工夫により、摂取率を上昇することができた「麻婆丼」をご紹介します。以前は麻婆豆腐として提供していましたが、摂取率は66%とかなり低く、原因を追究することになりました。まず味を確かめましたが、辛すぎず美味しい麻婆豆腐であったため味以外に原因があると考え、食事中のラウンドや聞き取りを行い以下の2つのことが分かりました。

「和・洋・中に関係なく何でも箸で召し上がる方が多い。」

「ひき肉のあんの部分をうまくすくえず豆腐だけ食べる。」

 このようなことが起きており、御飯に麻婆豆腐をかけることにより箸で食べる人もあんごとすくうことができるのではないかと考えました。

 すると摂取率は82%まで上昇し、当ホームの人気献立の一つとなりました。

 今回のようなちょっとした工夫により食事の楽しみをサポートすることが出来たら嬉しいですよね。

   ご飯とおかずを一つのお皿に盛り付け、品数を減ったように感じさせることで摂取量のアップや、お粥や軟らかい御飯を準備できない時に麻婆豆腐のようなあんをかけることで食塊を形成しやすくなり、むせ込み防止効果も期待できるのでぜひお試しください。

[図]

 ご入居者様の中には体調不良以外にも様々な理由で食事がとれなくなってしまう方がいらっしゃいます。

 「高齢だから食べられなくて仕方ない」ということではなく、「なぜ食べることができないのか、どうしたら口から食べ続けることができるか」を介護や看護、リハビリなどそれぞれの専門分野の視点から意見を出し合い、入居者様一人ひとりに向き合っています。

介護食の相談や制限食のご相談など御座いましたら、お気軽にご相談ください!