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クリニックについて

院長挨拶

このたび令和7年(2025年)12月1日より院長に就任した兵藤 透より自己紹介をかねてご挨拶を申し上げます。

兵藤透院長[写真]

昭和62年に鳥取大学医学部を卒業し腎・泌尿器科学の臨床家を目指し泌尿器科と更にこの分野の基礎研究も極めたかったため解剖学教室に同時に入局しました。当時、鳥取大学解剖学教室は走査型電子顕微鏡の発明で世界一を誇っており、世界をリードしていました。恩師の3人の教授は私の希望を聞いて下さり、自由に臨床および臨床に直結する基礎研究をさせて下さいました。レーザー顕微鏡で血尿が腎糸球体由来か非腎糸球体由来かの鑑別診断の研究とさらに透析の臨床研究(ビタミンD3経口パルス療法で透析患者の副甲状腺が縮小することを画像によって世界で初めて証明し英文誌に掲載)をさせて頂きました。平成6年にこれらの研究を発展させるため、当時、血尿研究と透析・腎移植の臨床で日本最先端を走っていた北里大学泌尿器科に入局、同腎センターで研鑽を積みました。ここで、北里大学腎センター式全自動尿中成分分析装置搭載血尿由来判定基準の開発(シスメックス社製UFシリーズ登載、特許取得)をいたしました。以後、この装置は世界標準となって行きます。この装置は当時シスメックス社の前身東亞医用電子のO常務が鳥取大学に私を尋ねて、装置の開発を依頼しようとしたところ、北里大学に移ったとのことで、わざわざ、私に依頼するため神戸から相模原まで来られました。この装置は顕微鏡を通さないで客観的に機械で血尿の由来を判定するため、人の眼を通さないため主観で判定が検者間でブレることがありません。この装置の登場で、血尿があれば泌尿器科の検査と腎臓内科の検査を同時に両方する必要があったのが、血尿が腎臓内科疾患由来か泌尿器科疾患由来か、尿検査だけで分けることができ、侵襲的な膀胱鏡検査(ちょっと痛いです)や造影剤検査を大幅に省くことが出来る様になりました。1995年の開発から30年経った今でも世界で唯一の診断装置です。

この仕事を終えた後は透析分野での仕事を一貫して行って参りました。北里大学腎センターは腎移植グループと透析グループに分かれますが私は透析の担当を拝命いたしました。

主な臨床上の業績は、栄養士・看護師・医師等による日本腎栄養代謝研究会の設立メンバーの一人(現在常任幹事)です。2012年までは糖尿病透析患者への糖尿病食事療法が日本ではありませんでした。食後血糖になるのはカロリー摂取だという間違った考えに基づく食事療法が日本中でなされていたためです。食後血糖になるのは炭水化物だけである事は欧米では常識で、3食同量の炭水化物を摂取する基礎カーボカウント法が糖尿病食事療法として普通になされていました。このカーボカウント法が透析患者でも有用なことを証明し、この研究会と日本透析医学会で、日本中の透析施設に普及させる事を目的にこの研究会を発足させました。2025年の現在では普通にどこの透析施設の栄養士さんもこのやり方で食事指導しています。

糖尿病透析患者の食事療法の確立の他に、アジア発展途上国への腎不全医療・透析療法普及支援の活動も日本透析医学会で、させて頂いています。今年のミャンマー地震災害では透析施設も打撃を受けましたが、いち早く日本透析医学会、日本血液浄化技術学会、国際臨床工学推進財団と日本の透析メーカー2社からの支援コーディネートも直近の仕事でした。ミャンマーへの透析物資支援が行えたのは世界で日本のみだとミャンマー腎泌尿器学会から聞いております。

資格は病態栄養専門医・指導医を持っています。この資格は糖尿病、腎臓病の両方の病態を理解していないと取得できません。糖尿病の資格だけだと腎臓病が分からない、腎臓病の資格だけだと糖尿病が分からないというジレンマを解消するために取得しました。透析患者さんの約半数が糖尿病が原因で透析になっています。透析を診療するためには両方診れないと困るからです。さらに、透析に入る前の腎機能障害の時期から食事療法を含めた総合的な診療で、腎機能が少し悪いと言われた患者さんや糖尿病の患者さんが腎臓が悪くなって透析にならない様な保存期腎機能障害の内科診療も行っています。私は以前相模女子大で食物栄養学科の教鞭を非常勤で担当していました。私は私自身が病態栄養専門医なので栄養・食事指導を栄養士さんがいなくても出来ますので、糖尿病専門医や腎臓病専門医の最大のネックである栄養士がいないと糖尿病・腎臓病の食事指導が出来ないという事はありません。私は自身の外来や透析回診で食事・栄養指導をしています。

透析専門医・指導医、病態栄養専門医・指導医、泌尿器科専門医・指導医。現在ホーチミン市透析医学会名誉会長、カンボジア腎臓学会名誉会長、カンボジアSen Sok国際大学腎センター客員教授、ミャンマー臨床工学技士育成プロジェクトJICAメンバーを拝命いたしております。

主催学会は2010年第13回日本腹膜透析医学会セミナー、2011年第7回日本透析アクセス医学会セミナー当番世話人、2011年第17回日本HDF(血液透析濾過)医学会大会長です。

毎月第4週水曜日に北里大学泌尿器科で診療を行っています。

月曜日から金曜日まで腎機能障害、糖尿病性腎症外来、一般外来を行っています。特に糖尿病の方は発症から30年すると透析になる方が多いのでそうならないようにする腎不全予防糖尿病外来を行っています。

どうかお気軽にご受診ください。今後とも宜しくお願いいたします。