各種疾患のリハビリテーション
脳卒中のリハビリテーション
概要
脳卒中は、脳の血管に突然起こる障害の総称で、医学的には「脳血管障害」と呼ばれます。一般病名としては「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」などがこれに含まれます。また、どのような障害があらわれるかは、脳血管の損傷を受けた部位によって異なります。
運動に関わる脳の部位に障害が起こると“体が思うように動かせない”、“麻痺する”、“力が入らない”などの症状がみられます。通常は脳の障害が起きた部位の反対側に運動機能障害がみられる(例:右脳に障害が起きた時には左側の運動機能に影響がでる)のが特徴で「半身麻痺」と呼ばれます。また半身麻痺で運動障害が起こるのと同じように、半身の感覚が麻痺したり、しびれたり、触覚、痛覚、温度覚が鈍ったりという感覚障害が起こります。その他には、意識自体がぼんやりとしてしまう意識障害、食べ物の飲み込みが難しくなる嚥下障害や言葉が話しづらくなる構音障害、認知症・失行・失認・注意障害などの高次脳機能障害、便秘・失禁などの自律神経障害、抑うつ・不安・感情失禁などの精神症状、と極めて多種多様です。
当院の脳血管リハビリでは脳梗塞、脳出血などを中心とする脳血管障害の患者さま、又は臥床に伴う廃用症候群を有する患者さまに対して機能訓練、ADL訓練、高次脳機能訓練、嚥下訓練、言語訓練などの訓練をPT・OT・STでおこなっております。 リハビリをおこなうことで、今後の生活に必要な日常生活の行為動作、つまり「坐る」「食べる」「排泄する」「移動する」等の方法を早く覚える事ができます。その結果、日常生活行為の自立が早まる、自宅復帰までの期間が短くなる等の効果を挙げています。
対象
- 【脳血管疾患等リハビリテーションの対象者】
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- ①脳梗塞,脳出血,くも膜下出血その他の急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者
- ②脳腫瘍,脳膿瘍,脊髄腫瘍,脊髄腫瘍その他の急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者
- ③多発性神経炎,多発性硬化症,末梢神経障害その他の神経疾患の患者
- ④パーキンソン病,脊髄小脳変性症,その他の慢性の神経筋疾患の患者
- ⑤失語症,失認,失行症,高次脳機能障害の患者
- ⑥難聴や人口内耳埋込術等に伴う聴覚・言語機能の障害を有する患者
- ⑦顎・口腔の先天異常に伴う構音障害を有する患者
- ⑧外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候群その他のリハビリテーションを要する状態の患者であって、一定以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力の低下及び日常生活動作能力の低下を来している患者