各種疾患のリハビリテーション
高次脳障害のリハビリテーション
概要
高次脳機能障害とは、脳出血、脳梗塞などの病気や、事故による頭部外傷などによって、脳に損傷を受けたときの後遺症の一つです。主な症状として注意障害、記憶障害、情報処理速度の低下、自己意識性の低下、遂行機能障害、易疲労、社会的行動障害があり、いくつかの症状が影響しあうことがあります。 身体障害とは異なり目に見えにくい障害のため、麻痺などの身体障害を伴わない場合には、ご本人はもとよりご家族も忘れ物や、落ち着きのなさ、怒りやすさ、動作の遅さ、手順の悪さなどの原因が高次脳機能障害とは気付かず支援につながらず生活していることがありますので、ご本人・ご家族・支援している方が気付きにくいことがあります。
外傷性脳損傷のリハビリテーションのおおまかな流れは、急性期リハビリテーションと回復期リハビリテーション以降に分かれます。急性期では、まず基本的な日常生活動作が自立できるようにして、安全に歩けるように運動面中心のリハビリテーションを行います。意識障害や合併症などが長引いている場合には、なかなかリハビリテーションが進まないこともありますが、長期間にわたって改善するのが特徴ですので辛抱が必要です。ある程度身の回りの動作が自立できても、高次脳機能障害のために自立できない状況が続く場合があります。したがって、当院をはじめとした回復期以降は入院と外来の両方で、高次脳機能障害のリハビリテーションを中心に実施します。