心臓の病気あれこれ
治療・手術について
血栓溶解療法(t-PA療法)
心臓の筋肉に必要な栄養や酸素を運ぶ血管(冠動脈)が詰まって血液が行き渡らず、心臓の筋肉が壊死した状態を急性心筋梗塞といいます。血栓溶解療法(t-PA療法)は、急性心筋梗塞の治療の一つで、冠動脈に詰まった血栓を薬で溶かす治療です。この治療は、発病から治療までの時間がどれくらいかによって、行うか行わないかが決まります。一般的にはその基準は6時間とされています。
治療は、血栓溶解薬(t-PA)を静脈注射する方法か、カテーテルという医療法の細く柔らかいチューブを使って患部に直接流し込む方法(経皮的冠動脈血栓溶解療法=PTCR)のどちらかで行われ、血栓を溶かして血流を再開させます。
ただし、血栓が完全に溶け切らずに血管内に残り、再び血管が詰まる可能性もあり、その場合は別の治療を合わせて行うことになります。また、胃潰瘍などの出血性の病気があるときは、血栓溶解薬で出血する危険性があるため、原則として使われません。