検査項目についてABOUT INSPECTION
MRI・MRA検査について
MRIとMRAでわかる病気のリスクは?
厚生労働省が公開した『人口動態統計2021』によると、死亡原因の4位となっている脳卒中(脳血管疾患)の年間死亡者数は約10万4千人。患者数では45~54歳で4万7,000人、55~64歳で11万2,000人にものぼるといわれています。50代~60代は本格的に脳卒中患者が増える年代といえます。
そんな脳卒中のリスクを調べる検査として、MRI検査とMRA検査が注目されています。
脳ドックにも含まれる2つの検査は、それぞれどのような検査を指しているのでしょうか。
脳卒中とは?
まず「脳卒中」とはどういう状態かというと、脳の血管がつまる(虚血)、もしくは破れる(出血)ことによって脳の神経細胞が障害される疾患のことを言います。
脳血管疾患とも呼ばれ、その原因や症状によって下記の4つに分類されています。
- 脳の動脈がつまる「脳梗塞」
- 脳内の動脈が破れる「脳出血」
- 脳動脈瘤が破れる「くも膜下出血」
- 脳の動脈が一時的に詰まって神経症状を呈したものの、短時間で再開通して、症状が消失する「一過性脳虚血発作(TIA)」
発症の前段階では自覚症状のないケースが多いことで知られていますがひとたび発症すれば重い後遺症が残ったり、生命に危険が及んだりする可能性の高い救急疾患です。
MRIとMRAの違い
脳梗塞や脳出血といった脳卒中のリスクをできる限り早期に発見し、適切な対応につなげることが脳ドックの大きな役割です。
そして、その脳ドックの中心的な検査項目が頭部のMI検査と頭部のMRA検査です。通常はセットで行われ名称は異なりますが使用する機器は同じです。
また、磁力を用いた検査なので被爆の心配もありません。
MRI検査は「脳」の断面画像を得るもので、解像度が高く脳や脊髄といった中枢神経に対する検査方法として適しています。一方、MRA検査は「脳血管」を立体的に抽出する検査で、造影剤(画像診断検査を分かりやすくするための薬剤)を用いることなく血管の画像が得ることができます。
それぞれの違いを見てみましょう。
MRI検査:脳の断面画像を得る検査
MRI(磁気共鳴画像撮影法)検査は、身体に電磁波をあてることで細胞に含まれる水を共鳴させ、その信号から、脳の断面画像を得るものです。頭部MRI検査は、MRI装置を用いて頭部の断層写真を撮影する検査です。脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)の検出やリスク発見、特に虚血性の脳卒中である「脳梗塞」の検出力に優れています。
MRA検査:脳血管を立体画像化する検査
MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査も、電磁波を用いますが、血流の信号のみを処理することで、造影剤を用いることなく脳血管、特に脳動脈の形態を立体画像化します。頭部MRA検査も、MRI装置を用いて頭部の血管の状態を立体画像化する検査です。
脳動脈の狭窄やくも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう)や、脳動静脈奇形の有無など、虚血性及び出血性脳卒中のリスク発見に役立ちます。
MRI検査、MRA検査でわかること
MRI検査やMRA検査には、それぞれ早期発見しやすい脳卒中リスクの種類があります。
頭部MRI検査は脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の潜在を発見するのに有用で、頭部MRA検査は、脳梗塞の原因になる「動脈の狭窄」やくも膜下出血の原因となる「未破裂脳動脈瘤」といった脳卒中のリスクを発見するのに有用です。
つまり、頭部MRI検査/頭部MRA検査をセットで受けてこそ脳卒中の潜在やリスクを調べることができるのです。そのため、脳ドックの多くは頭部MRI検査/頭部MRA検査をセットで設定しています。
脳の健康状態を把握するためにも両方の検査を受け、生活習慣の改善や予防治療の早期開始につなげましょう。
当施設ではMRI・MRAセットの検査となっており料金は33,000円(税込み)です。