検査項目についてABOUT INSPECTION

胃がん検査について

胃がん検査について

胃がんについて

胃がんは、50歳代以降にかかる人が多く、日本の癌による死亡原因の多くを占めるがんです。
早期の胃癌は自覚症状がないことが多いですが、胃の痛み、不快感、食欲不振、食事がつかえるなどの症状がある場合には検診を受診せず、すぐに医療機関を受診する必要があります。

胃がん検査

1) 胃がんの検査方法

胃がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、胃がん検査として推奨できる検診方法は「胃部X線検査」または「胃内視鏡検査」です。

「ペプシノゲン検査」や「ヘリコバクターピロリ抗体検査」或いは併用の検査等は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現時点では不十分です。

(1) 胃部X線検査

発泡剤(胃をふくらませる薬)とバリウム(造影剤)を飲み、胃の中の粘膜を観察する検査です。

飲んだバリウムを胃の中に薄く広げて、体を透過するレントゲン量の濃淡を反映したレントゲン写真から胃の形や表面の凹凸を観察していきます。消化管内に入った、造影剤や発泡剤は重力や消化管自体の蠕動運動により流れ刻々と変化していきます。

注意事項
[写真]

バリウムを飲むことにより、便秘やバリウムが腸内で詰まって腸閉塞を起こすことがまれにあります。

過去にこの検査で問題があった方や水分制限を受けている方は、検査を受ける前に医師にご相談ください、検査当日は朝食が食べられません。

放射線被ばくによる健康被害はほとんどありません。

(2) 胃内視鏡検査

口又は鼻から胃の中に内視鏡挿入し、胃の内部を観察する検査です。スコープを挿入し、工学的に形態変化(凹凸)や色調変化(カラー)を高い再現性をもって観察することができます。検査時に疑わしい部分が見つかればそのまま生検(組織を採取する)を行う場合もあります。

注意事項
[写真]

検査当日は朝食が食べられません。

常用薬、アレルギーがある場合は医師に相談してください。

胃内視鏡検査では検査前に喉の麻酔などを行います。

2) 胃がん検査の対象年齢

厚生労働省の指針では胃部X線検査及び胃内視鏡検査による胃がん検査について50歳以上を推奨しています。胃部X線検査については当面の間40歳代での実施も可としています。

3) 胃がん検査の検診間隔

厚生労働省の指針では、胃部X線検査及び胃内視鏡検査による胃がん検査の検診間隔は2年に1度を推奨していますが胃部X線検査については当面の間年1回の実施も可としています。

胃透視検査と内視鏡検査の比較
項目 胃透視検査 比較 内視鏡検査
診断の正確さ 胃全体の変形をとらえやすい < 凹凸のない平坦な病変も、色の変化で発見できるため早期のがんを診断できる
食道についても胃と同様に観察できる
負担 放射線被ばくあり
バリウムによる便秘の危険性がある
=< 喉の痛みや違和感など検査に伴う苦痛が大きい
  • ※経鼻内視鏡や鎮静の使用で軽減できる
費用 =< やや高価

胃部X線検査と胃内視鏡検査にはそれぞれ長所と短所があります。それらを踏まえてどちらを受けるか決めるとよいかと思います。