消化器内科(肝胆膵内科)
診療内容・特色
当院の消化器内科(肝胆膵内科)では、肝臓病に注力してきた日本肝臓病学会認定肝臓専門医が、肝臓病全般、特にウイルス肝炎から慢性肝炎、肝硬変、肝がんまで診断と治療を行っています。
B型肝炎に対する拡散アナログ製剤の適応、C型肝炎に対する最新の抗ウイルス治療の導入、非代償性肝硬変の栄養方法などを実施しています。
また、C型肝炎患者さんのサポートに力を入れており、近隣の病院や診療所と協力して、湘南プロジェクトを立ち上げ、受検、受診、受療しやすい環境を整備しています。さらに最近増加している脂肪肝に対しては、腹部超音波検査で肝硬度(fibroscan)と脂肪蓄積度(CAP)を指標にして肝硬変への進展阻止を目標に治療を行っています。
肝がんについては、従来のカテーテルによる肝動脈塞栓療法や経皮的ラジオ波治療だけでなく、分子標的治療薬のレンバチニブの投与や、血管新生抑制薬と免疫チェックポイント阻害薬の併用投与などを積極的に提供しています。
専門性の高い肝臓病センター
Topics:C型肝炎ウイルスの撲滅に成功しました
最近では抗ウイルス剤(DAA)を二か月から三カ月内服するだけで100%近くまでウイルスを排除することができます。そして、その後は最低5年間、半年ごとに画像診断と血液検査を施行して見守ります。近隣の病院と連携を組んで湘南プロジェクトとして大きく展開しております。この湘南地区からのC型肝炎ウイルスの撲滅はまぢかです。
DAA投与例 | 197 例→192例完治(97.5%) |
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年齢中央値 | 63(25-86) |
75歳以上 | 49例(25%) |
性別 | 男性108(55%)/女性89(45%) |
genotype(重複あり) | G1 113(57%)/G2 81(41%)/その他 4(2%) |
前治療 | IFN 23(12%)/DAA 4(2%) |
肝硬変 | 46(23%) |
肝細胞癌合併 | 初発 3(2%)/既治療 10(5%) |
B型肝炎ウイルスは制御できます
薬物治療でHBVに対する核酸アナログ製剤による治療で肝炎の病態は抑えられ、通常のケイン公人と同じような生活を送ることができます。現時点でこのウイルスを撲滅することはできませんが、コントロールすることはできます。
HBV状態 | 患者数 |
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HBVキャリア | 246 |
核酸アナログ投与 | 54 |
肝細胞癌発症 | 14 |
隠れたB型肝炎ウイルスを見つけて、増殖を抑えます
B型肝炎ウイルスに一度感染すると、血液の中のウイルスは検出されなくても肝臓の中に潜んでいることが分かってきました。このような状態で化学療法や免疫療法などを行いますと、隠れていたB型肝炎ウイルスが再び活性化されて肝炎として重篤化します。専門医が見出して、適切に肝炎ウイルスを抑え込むことができます。
脂肪肝を侮ると大変なことになります
脂肪肝患者が健康診断でも容易に指摘され、昨今、劇的に増加しています。アルコール、DM、高脂血症、肥満が要因ですが、これらの中からNASHとして肝硬変に進展する症例を見出していくことが大切です。これら患者を半年ごとの超音波検査で肝硬度(fibroscan)と脂肪蓄積度(CAP)をProspectiveに血液検査とともに検討しています。
検査 | 2020 | 2021 | 2022 | 統計 |
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腹部エコー | 1605 | 1706 | 1696 | 5007 |
Fibroscan | 1175 | 1197 | 1181 | 3553 |
アルコールを飲みすぎて寿命を縮めることはやめよう
お酒が嫌いになる薬、お酒を飲みたくなくなる薬、専門医によるコンサルトで少しずつアルコールを遠ざけるようになってきました。
薬物療法 | 患者数 |
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レグテクト | 9 |
セリンクロ | 2 |
肝細胞癌発症 | 17 |
原発性肝癌(肝細胞がん)は今では薬で治す時代になりました
分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬を用いた化学療法が従来の手術療法や塞栓療法、ラジオ波焼却療法と合わさって実施することで肝細胞がんの生存率がどんどん延長してきています。
肝硬変、肝細胞がんの助成制度をアッピールして多くの肝細胞がん患者の治療を本格的に行っております。
肝細胞癌登録者数 | 156例 |
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性別 | 男性89(57%)/女性51(43%) |
年齢中央値 | 76(50-95) |
成因 | HBV14/HCV73/NBNC69 |
発症形式 | 初発103(66%)/再発53(34%) |
手術 | 29 |
経皮的ラジオ波焼灼術 | 32 |
TACE | 66 |
薬物療法(TKI/ICI) | TKI37/ICI13 |
肝移植を必要な方を見極め、全国の肝移植施設に紹介できます。そして、肝移植後は専門外来で治療が継続できます。
専門医の一人はわが国の脳死肝移植適応評価委員会の委員長です。
患者数 | |
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肝移植後 | 13 |
担当医師紹介
市田 隆文いちだ たかふみ | |
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湘南東部クリニック 院長 |
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資格 |
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医師コメント |
20年以上の肝臓専門医キャリアーと40年以上の内科医としての経験をもとに院長外来を行っています。セカンドオピニオンも含めてよろず相談外来と位置付けております。ウイルス肝炎、肝硬変、肝細胞がんの診断と治療の新展開、肝移植の新知見をお示しします。 |
平野 克治ひらの かつはる | |
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湘南東部総合病院 副院長 内科部長 肝臓病センター長 湘南医療大学 臨床研修センター臨床教授 |
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資格 |
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医師コメント | 専門は消化器全般の診断と治療ですが、特に、肝疾患については、ウイルス性肝炎の飲み薬、肝硬変のマネジメント、肝細胞がんの経皮的ラジオ波治療やカテーテル治療や分子標的治療薬の導入、維持を行っています。消化器疾患でお困りの際は気軽にご相談ください。 |